第224回
差押は相手方に打撃を与えます。
相手方が代金を支払わないときには、
判決を取って相手方の財産を差し押さえることとなります。
抵当権がついていない不動産があれば、
不動産を差し押さえて競売にかけるのが、
相手方にも打撃となるし、回収の実効性があります。
しかし、今の時代、事業を営んでいる人で
抵当権のついていない不動産を持っているケースは少ないです。
そこで、何を差し押さえるかと言うと、
相手方が事業者であれば
売掛金か預金を差し押さえるのが一般的です。
不動産を差し押さえる場合には、
裁判所が不動産を評価し、
競売する手続にかかる費用が50万円以上かかります。
費用は物件や債権額によって異なります。
しかし、売掛金や預金を差し押さえる場合には、
手続きが簡単なので、裁判所に支払う費用は
3000円くらいで済みます。
売掛金を差し押さえると、
相手方は、差し押さえられた額だけ
予定していた収入が無くなってしまいますから、
それだけでも打撃を受けます。
また、取引先に仕入代金も支払えない
信用のない会社であると思われてしまいますから、
取引を中止されるおそれもあります。
そこで、まともな会社であれば、
全部支払うから差し押さえを取り下げて欲しいと
言ってくることとなります。
売掛金を差し押さえた場合のメリットは
1か月分の売り上げではこちらの債権額に満たない場合でも、
半年分はまとめて差し押さえることができるということにあります。
A社がB社に1000万円の代金債権を持っているとします。
B社はC社に対し、毎月の売り上げが300万円あります。
このケースで、A社は当然B社のC社に対する売掛金を
差し押さえます。
差し押さえた時点での債権額しか差押えができないとすると
1か月分の300万円しか差し押さえられず、
また差押えをしなければなりません。
しかし、法律は、B社とC社の取引が毎月継続している場合には、
一度の差押えにより、
6か月分で1000万円になるまで
差し押さえることを認めているのです。
■今週の宿題 ■
小売でも、卸売でも、商品の代金は、
2年間で時効にかかってしまい、以後請求ができなくなる。
○でしょうか? ×でしょうか?
お答えをお待ちしております。
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