第197回
倒産問題に強い弁護士は
借金の整理から会社の再建・破産まで詳しいです。

最近の不況を反映して、
借金の整理や会社の破産・清算といった相談が増えています。
これは会社も個人も同じです。
これらに詳しい弁護士を倒産法に詳しい弁護士と言います。

通常、倒産法の分野として取り扱われるのは、
破産、会社の解散、民事再生、会社更生です。
破産と会社の解散は、
これ以上会社の営業を続けるのは無理な場合に
会社を清算するために行います。

民事再生や会社更生は、
毎期の営業で利益は出ているけれども、
これまでの借り入れなどが多すぎるような場合に
借入額を減らして、会社を再建するために行います。
借金の月々の返済額を減らしたり、
返済期間を延ばしてもらったりする弁済の猶予交渉も
この中に含まれます。

会社を清算せざるを得ないのか再建できるのか、
法的手続きをする場合の費用をどう用意するか、
再建する場合の資金繰りをどうするのかなどのポイントについて
弁護士がわかっているかわかっていないのかで
会社の再建や清算に差がつきます。

ただ、同じ倒産でも、メーカー、小売、商社、不動産業、
旅行会社、ゴルフ場など業界毎によって、
違った注意が必要となる場合があります。
その場合、業界に詳しい人に相談すべきか、
倒産法に詳しい人に相談すべきか悩ましいところです。

ちなみに、個人の借金の整理(破産や任意整理)なども
倒産法の分野ですが、
これらは消費者問題とかクレジットサラ金問題などと
呼ばれています。

いわゆる倒産法に詳しい弁護士は
会社関係の倒産問題に詳しい弁護士で、
個人の消費者金融などからの借金の整理は
あまり取り扱っていない場合も多いかもしれません。


■今週の宿題 ■
 相手が供託金を積んだ場合に一定期間受け取らないと
 供託金を受け取ることができなくなる。
でしょうか? ×でしょうか?

お答えをお待ちしております。


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2003年6月20日(金)

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