第196回
1,2か月分の担保をもらえれば十分です。

「物を売る」際、担保をつけてもらう場合は、
売買代金の金額によって、
担保に入れてもらうものも変わってきます。

1ヶ月に何千万円もの商品を掛売りする場合には、
土地などそれなりの物を
担保に入れてもらう必要があるでしょう。
1ヶ月に数十万円から100万円くらいの掛売りであれば、
1,2か月分の担保を入れてもらいましょう。

掛売りする場合、普通は、末締め、
翌末払いとするのがほとんどだと思います。
これだと、商品を引き渡してから
代金が回収されるまでに
最長2ヶ月かかっているわけです。

不払いが起きたら、
商品の納入を止めるのは当然のことです。
すると、最長2か月分の売掛金が、
回収リスクを負っていることになります。
そこで、2か月分の担保を入れてもらうと
回収リスクはゼロということになります。
その担保としては保証金を入れてもらうのが一番簡単です。

事務所や店舗を借りるときには、
10ヶ月分の保証金を入れたりするのですから、
1,2か月分の保証金を入れても、いいじゃないですか?
と言ってみてはいかがでしょうか?

保証金を預かると
実際上前金でもらったのと同じになります。
ただし、こちらに信用がないと、
保証金は返ってくるのか、
逆に相手が不審に思うかもしれません。
その場合は、保証金を相手名義の定期預金にしてもらって
質権という担保を設定する方法があります。
これなら、定期預金は相手方名義ですし、
こちらは不払いが起きた場合に
定期預金から回収することができます。
定期預金にするお金がないと言われた場合、
既にかけている生命保険に
質権を設定してもらうという方法もあります。


■今週の宿題 ■
 相手が供託金を積んだ場合に一定期間受け取らないと
 供託金を受け取ることができなくなる。
でしょうか? ×でしょうか?

お答えをお待ちしております。


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2003年6月19日(木)

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