第190回
警察があまり積極的に動いてくれないことから
取込詐欺が横行しています。
詐欺はもちろん犯罪です。
それにもかかわらず取込詐欺が横行している理由は、
警察がなかなか動いてくれないことにあります。
警察は、強盗、殺人、傷害などについては、
積極的に動いてくれます。
これらは、世の中にとって重大だということもありますが、
警察にとって得意な分野でもあるからです。
ところが、詐欺、横領、背任となると、
民事的な面が絡んでおり、
会社の財務状況の分析が必要となったりするので
警察があまり得意でない分野です。
そこで、被害者が被害届けを出したり、
告訴をしに行ったりしてもあまりいい顔はしません。
完全に証拠をそろえていかない限り、
取り上げてもらえないのがほとんどです。
ただ、これは、
警察が民事の取引や財務状況の分析について
あまり詳しくないということだけが理由ではありません。
先日説明したように、実態が詐欺だったとしても、
実際に商売をしている会社が買主の場合、
最初から代金を払う意思がなかったと証明することは、
現金や売り掛け、商品の動きを総合的に調査しないと
難しいわけです。
でも、買主が注文時に現金や売り掛けがどれくらいあって
商品をどうしたかなんて、外部の人間にはわかりません。
そして、警察は、客観的な証拠もなく、
取り合えず事情を聞くとか、資料を出させるとかは
できないことになっているのです。
それから、世の中の民事のトラブルを
警察を利用して解決しようとする人もいますので、
警察は、警察を利用しようとしている人と、
本当に詐欺で騙された人とを
区別して対応しなければなりません。
理由が合理的なのか不合理なのかわかりませんが、
実際上はそういう理由で、
警察は積極的に動いてくれません。
そこで、取込詐欺が横行することになっているわけです。
■今週の宿題 ■
ダイヤルQ2の利用料金や
レンタルビデオの延滞金などについて、
実際はないのに、
債権を譲り受けたと言って請求することは、詐欺となる。
○でしょうか? ×でしょうか?
お答えをお待ちしております。
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