第189回
最初から代金を支払うつもりがなく
商品を騙し取るのを取込詐欺と言います。

取込詐欺は、比較的古くからあります。
以前、取込詐欺の相談を受けたケースでは、
最初に何回か現金取引を持ちかけて、
信用を得た段階で、
掛売りで大きな金額の注文を出して、
その代金を支払わないというものでした。

商品を受け取ると、担当者がいないとか、
後で連絡するとか、分割払いにして欲しいとか、
何とか言い訳して引き延ばしているうちに、
いつの間にかいなくなるというのが典型例でした。
今でも、このような手口も使われていると思います。
ところが、最近の取込詐欺は、
1回目から掛売りを持ち掛け、
最初から代金を支払わない
という荒っぽいものが増えています。

最近と以前の違いは、
以前はそこそこ物が売れていたけれども、
今は物が売れないという時代の違いが、
手口の違いにつながっていると思います。

以前であれば、商品を売る方は、
初めての取引相手には慎重で、
掛売りなどはそう簡単にしなかったけれども、
今は、商品が売れない時代なので、
商品を売る方が焦って
初めての取引先でも簡単に掛売りをしてしまう
ということなんじゃないかと推測しています。
騙す方は、相手が商品を売りたがっているところを
狙っているのです。

以前は、売ったばかりの商品が安売りの店に並んで、
これはおかしいと気づいたというケースでしたが、
今は売ったばかりの商品が
インターネットで競売に出ていて気づく
という点も時代を感じさせます。

物を売る際には、
商品を騙し取ろうとしている悪いやつもいる
ということを頭の隅に置いておいてください。


■今週の宿題 ■
ダイヤルQ2の利用料金や
レンタルビデオの延滞金などについて、
実際はないのに、
債権を譲り受けたと言って請求することは、詐欺となる。
でしょうか? ×でしょうか?

お答えをお待ちしております。


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2003年6月10日(火)

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