第185回
取引相手の収入や財産をチェックしましょう。
これまで取引のないところから、
取引の申込を受けた場合、
この物の売れない時代、
すぐにでも注文に応じたいところです。
しかし、最初から掛売りという場合には
ちょっと待ってください。
相手がどんな会社で
相手がどれくらいの財産や収入があるのか
チェックしてください。
一番いいのは、銀行がするように、
過去の決算書を3年分くらい見せてもらって、
収入や財産状況を把握する方法です。
しかし、掛けで売る場合は
それくらいのことが必要なのですが、
今の日本の取引慣習では
そんなことをしていないのが一般ですから、
「決算書を見せてください」というのは
かなり勇気が必要です。
これまでは、事実上、自分の取引銀行を通じて、
新しい取引を希望している会社の財務内容を
聞いたりしていましたが、厳密に言うと、
銀行の取引先に対する守秘義務違反
ということにもなりかねませんので、
これからはあまり使えないと思います。
名前は出しませんが、
いわゆる調査会社に調べてもらう方法もあります。
ただ、これについては
正確なデータが得られるかはわかりません。
事務所や工場が自社物件なのかどうか、
抵当権がたくさんついていないかどうかなども
相手の財産状況について調べる際に役立ちます。
具体的には、事務所や工場などの
不動産登記簿謄本を取ればわかります。
中小企業では代表取締役が会社の保証人となり、
担保提供をしていることが多いので、
代表取締役の自宅についても不動産登記簿謄本を取ると、
相手の会社がどれくらい借金をしているか
調べることができます。
この不動産登記簿謄本は、
法務局で誰でも取ることができます。
■今週の宿題 ■
同じ無銭飲食でも、
最初から代金を支払うつもりがないのに
注文して飲食して逃げた場合は詐欺罪となるが、
お金も持っていて最初は代金を支払うつもりで注文したが
飲食後支払うのをやめて逃げた場合は詐欺罪とならない
○でしょうか? ×でしょうか?
お答えをお待ちしております。
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