第121回
地価や賃料相場が下がっていることが
賃料減額の理由となります。

リストラの一つとして、
賃料の減額を考えてみてはどうかと提案しました。
実際、貸主とそういう交渉をしている方もいるでしょう。
普通、支払額をまけてもらうときは、
「財政状況が厳しくて、支払が苦しいから、
まけてもらえないでしょうか?」と言って交渉します。
それも交渉方法の一つだと思います。
しかし、これでは、お願いに過ぎません。
だから、貸主が「応じられません」と言えば
それでおしまいです。

賃料の減額の場合は、地価が下がっている、
あるいは、近隣の賃料相場が下がっているから、
借地借家法32条により、
賃料の減額を請求すると言えばよいのです。

賃料減額請求は、
借地借家法32条で認められた権利ですから、
お願いとは違います。
あなたの会社が儲かっているか儲かっていないか
そんなことも関係ありません。
借主が主張している地価の下落や
近隣の賃料相場の下落という事実があって、
借主の主張する賃料の下げ幅が適切であれば、
法律上減額されたことになるのです。
だから、賃料の減額を求めるには、
自分が事務所や店舗を借りたころの土地の相場と
今の土地の相場を調べてみましょう。

それから、自分が事務所や店舗を借りた当時の
近隣の同じようなビルの賃料が坪当たりいくらだったか、
現在の近隣のビルの賃料が坪当たりいくらになっているか
調べてみましょう。
この10年で地価は半分に下がったとか
3分の1になったとか言われています。
ビルも空室率が増加していると聞きます。

平成4年ころ、事務所や店舗を借りて
10年も賃料はずっとそのままの人がいたら、
地価も賃料相場もかなり下がっているのではないでしょうか?
賃料の減額を請求してみる気になりませんか?


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2003年2月26日(水)

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