第29回
内容証明郵便の効果は?

内容証明郵便をもらう。
内容証明郵便を出す。
普通の人にはあまり縁のないことですから、内容証明郵便が来たりすると、
びっくりして相手の要求に従ってしまうということがあるようです。

さて、先週の宿題で出しましたが、わかりましたか?
宿題は、以下の説明が正しいか?間違っているかというものでした。
1 内容証明郵便を出しておくと、裁判で請求があると認められる。
2 内容証明郵便を出しておくと、貸し金について時効にかからない。
3 内容証明郵便は、国が郵便の内容が真実であると証明してくれる。

これらは、すべて間違っています。したがって、すべて×が正解です。
内容証明郵便は、
いつ、どのような内容の郵便を出したかということを証明してくれる郵便です。
したがって、郵便の内容が真実であるとか、
郵便に書かれてある請求権があることを証明してくれるわけではないのです。

例えば、QさんがAさん宛に、平成14年10月7日に内容証明郵便で、
貸し金100万円の催促をしたとします。
このときの内容証明郵便の効果は、QさんがAさんに対し、
平成14年10月7日に貸したお金を返してくれと請求していたということが
証明されるということなのです。
実際に、裁判となった場合には、100万円を貸したかどうかについては、
以前お話したように、借用書や領収書、契約書などの証拠があるかどうか
で決まるのです。

宿題の文章の2の時効の問題ですが、内容証明郵便で請求して、
6ヶ月以内に訴訟を起こせば時効は中断し、時効にかからなくなります。
しかし、内容証明郵便を出したまま訴訟も起こさずに放って置いた場合には、
時効は中断せず、時効にかかってしまいます。

内容証明郵便について種明かしをすると、こんなものなのですが、
世の中には内容証明郵便について、
すごい効果があると思っている人もいます。
だから、請求する側になったら、
内容証明郵便で請求することは一つの有効な手段となる場合もあるのです。
請求された側の場合、
内容証明郵便が来たからといって慌てることはありませんが、
相手方とトラブルになっていることは間違いありませんから、
トラブルをどう解決するか対策を考える必要はあります。


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2002年10月7日(月)

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