第30回
銀行が土地建物を担保に取るときは抵当権を設定します。
銀行からお金を借りるときには、
土地や建物を担保に取られるという説明をしました。
担保というのは、借りた人がお金を返せないときに、銀行がそれを処分して、
他の債権者に優先して返済を受けることができるものです。
どういうことか説明しましょう。
QさんがA銀行から5000万円、B銀行から3000万円、
C銀行から2000万円を借りました。
Qさんは、評価額5000万円の自宅しか財産がありません。
この場合、どの銀行も担保を取っていないとすると、
自宅を売却して、5000万円で売れたとした場合、
A銀行、B銀行、C銀行は、その債権額に応じて、
5:3:2即ち、2500万円、1500万円、1000万円の割合で
返済を受けるということになります。
ところが、担保権を設定してあると、返済の割合が違ってきます。
例えば、A銀行が自宅に5000万円について、
担保権を設定していたとすると、
A銀行が自宅の売却代金5000万円について、全額返済を受けることができ、
B銀行とC銀行は全く返済を受けることはできないということになるのです。
実際は、
A銀行が5000万円の自宅に5000万円の担保権をつけている場合は、
B銀行、C銀行は、Qさんがお手上げとなると、
自宅からはまったく返済を受けられないのですから、
自宅の他に財産があるか、ものすごい収入が見込めるとかがないと、
2000万円も、3000万円も貸してくれることはありません。
担保権には、質権や譲渡担保権などありますが、
普通、銀行が付けるのは、抵当権です。
抵当権がどういう権利かは、また明日。
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