第4回
お金を借りるということは、元本と利息を払うということです。Part2

先日は、お金を借りるには、
まず、借りたお金については借りた元本と利息を含めて
いくら返済することになるのかがわかっていなければ、
お金を借りるということは元本と利息を払うということだということが
わかっていないという説明をしました。

お金を借りるにあたって、
もうひとつわかっていなければならない点があります。

それは、事業のためにお金を借りるのですから、
事業の収入が返済額を上回らなければならないということです。
こんなこともわかっていると言われそうですが、
本当にわかっているのか、疑問になるケースが多いので
このようなことを敢えて申し上げているわけです。
本当にみんながわかっているのであれば、
お金が返せないという事態は生じないのですから。

先日の例からすると、1200万円を利息10%で借りて、
5年で返済するためには、月々25万4956円返済することとなります。

個人で事務所をかまえ、1人の従業員を使って、
これまでの売上げが月200万円だったとしましょう。

仕入代金が売上げの50%で月100万円、
事務所の賃料が坪2万円で15坪の月30万円、
従業員の給料は月20万円、自分の取り分は月50万円としましょう。

この場合、
これまでの経費の支払いも自分の取り分の額も維持するためには、
月々の売上げを25万4956円増やさなければならないのです。

このケースでも、
借入金の返済額相当する分だけ自分の取り分を減らせば
支払いは可能ですから、
自分の取り分を減らす方法もあります。
ただ、そうすると
月50万円の収入が半分以下となってしまうことになります。

お金を借りるということは、
元本と利息を返済することだということがわかっているというためには、
お金を借りたら、その返済に見合う収入が現在あるか、
増収が見込めなければならないのです。
例えば、この1200万円を設備投資に使うのであれば、
借金の返済額以上の増収を生む見込みがなければならないわけです。

しかも、それが返済期間の5年間は続かないといけません。

そのような見通しがあって初めて、
借金は元本と利息を返すことだということが
わかっているということなのです。


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