第118回
感動の開店 その時松井さんは その3
5日前 微差が大差 コーディネーターが差をつける

デコレーターの活躍で
オープンを5日前に控えた「キャリオカ」の内装の雰囲気は
見違える様に良くなりました。
松井さんと奥様、始めて店の中に入った
松井さんの父親である社長、そしてあの鬼専務、
皆、感慨深い雰囲気に浸っています。

デコレーターを紹介してくれたのは四本さんです。
四本さんはこう云いました。
「カフェだけでなく全ての店づくりに大切なのは
1本筋が通ったコンセプトワークと
それを忠実に実現出来るプロ集団です。
お店の出店を演出に例えるなら、
私と芝さんは、監督、脚本家です。
勿論プロデューサー(製作者)は松井さんです。
これ以外の専門家集団をコーディネーターと呼びます。
店を見事に演出したデコレーターも
コーディネーターの1人です。」

聞いている松井さんも
その話の内容に納得出来ました。
かつて松井さんの会社で企画した賃貸マンションの中には、
建築の設計士から部屋の内装色などを決定する
カラーコーディネーターまで
実に多くの専門家に加わってもらい、
完成させたマンションもあるからです。

松井さんは云いました。
「1人の天才的な商業芸術を創れる人であっても、
だれの力も借りずに店や商品を完成させる事は難しい。
自分は実に多くの人の力を借りて
ようやく1軒の店をスタートさせることが出来る。
本当に良かった。
もし自分を過信して突き進んだら
この様な素晴らしい店は出来なかった。」
(内装の他にも、コスチューム、食器、音楽等の
コーディネーターが参画しました)

四本さんはこの松井さんの言葉に続けます。
「我々はプロですが、何にも知らない人との差は
ほんの少ししかありません。
まさしく微差なんです。
しかしその差が大差になるのは、
かつての失敗を決して無駄にしないからです。
もう1つ大差になるポイントがあります。
それはその仕事に対する使命感の大きさです。
この2つが微差が大差になる本当の要因なんです。」


『差のない時代、微差か大差になるか
それを決めるのは賢い個人主義の消費者である』


←前回記事へ 2003年8月4日(月) 次回記事へ→
過去記事へ
ホーム
最新記事へ