第106回
最強メニューが完成 その1
30日前 あの神戸の名店ニシムラに学んだコーヒーカップ
いよいよ開店まで30日前になりました。
150日前にカフェの出店を決めて
4ヶ月の日々があっと云う間に過ぎていきました。
四本さんが作成したデザインにより
進められている内装工事は
今、給排水工事を行っています。
これからの20日間、松井さんには
分単位の判断と行動が要求されます。
まず松井さんが決めなければならない事は食器の選定です。
お店のオープン60日前に基本メニューが決まり、
次いでレシピ(仕様)を決めることができます。
これは容量と価格、原材料費を仮決めする事です。
なぜ決定ではなく仮決めなのか、
それは、さらに30日かけて
食器や盛りつけ方法を検討する必要があるからです。
これが決まると最終決定となり、
順調に行けばこのような流れになります。
商品の80%〜90%はこの方法で決まりますが、
中には開店7日前、
従業員のトレーニングを始める時期になっても
商品のネーミングやレシピ、価格、食器などが
決まっていないケースもあるのです。
松井さんもこのケースにぶち当ってしまいました。
何とメイン商品のブレンドコーヒー用の
コーヒーカップが決まらないのです。
当初はあのペンステーションが使っていた
「ウェッジウッド」のホテル用の
ボーンチャイナを使うつもりでした。
ブレンドコーヒーは1人前150cc、
それを考えると国産メーカー
輸入物はコーヒーと紅茶の兼用カップになってしまいます。
松井さんはこだわりました。
もっとコーヒーをアッピール出来るカップが欲しい。
その問題は松井さんと同じ不動産会社に勤める
渡辺さんと云うOLさんが
ご自身の出身地、神戸の名店
「ニシムラ」のコーヒーカップを
おみやげにくれた事で解決できたのです。
カップの底が少し高い独特のカップは
ニシムラのオリジナルですが、
それをリデザインしたカップは
多治見のメーカーが作っていました。
名店に胸を借りる。
松井さんは遠い神戸の「ニシムラ」に向って
感謝の気持を伝えました。
『あのドイツのマイセンも
300年前の柿右衛門写しを今も作っている』
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