第99回
人財をつくる その4
60日前 パートタイマー、アルバイトがやめる本当の理由
芝さんに会って松井さん、
岩崎さんからいただいた言葉と、
自らが初代店長として頑張ることを伝えました。
芝さんは岩崎さんの松井さんへの叱りの言葉に
深くうずづいてこう云いました。
「松井さん、私は大学を出て改めて調理の学校に入校しました。
実社会に出た時、私の先輩は18才。
その人から本当に1から教わりました。
そこは出来る出来ないの世界です。
仕事が出来る人が上に行くのです。
そうでないと逆におかしくなってしまいます。
プライドは時にバネになりますが、
過ぎたプライドはガンと同じなのです」
そして松井さん、
奥様が部下にして欲しいと云ってくれた事を伝えると
芝さんは奥様が松井さんの
最初の部下になる事に賛成してくれました。
そしてパートタイマー、アルバイトの
人材育成のエピソードを
吉野屋の例を上げて教えてくれました。
当時吉野屋は西武グループによって
再建の途中でした。
不振店を整理して売上の良い店を残し、
品質も向上し、急速に業績が回復していました。
しかし人事担当の役員は悩んでいました。
パートタイマーもアルバイトも
すぐにやめてしまうからです。
現場の店長は
「仕事がきついので時給を上げて欲しい。
そうすれば良い人が集まる」と訴えました。
そこで時給を上げましたが成果は上がらない。
店長は、時給をもっとあげて欲しいと同じ言葉を繰り返す。
そして時給をまた上げる。
その繰り返しが続き、業界で1番と云われる程、
時給を高くしましたが、結果は変わらなかったのです。
そこで人事担当の役員は思い切って
やめたパートタイマー、アルバイトの人に
アンケートをとったのです。
その主旨はやめた理由をぜひ教えてもらいたい
というストレートなお願いでした。
ぞくぞくと返ってきたアンケートの集計結果は
驚くべきものでした。
店長が指摘していた
「仕事の割に時給は低い」は第4位。
第1位は「アホな店長に使われたくない」だったのです。
『前例がない。他行ではどうしているか。
金融監督庁はどう云っているか。
これで銀行の頭取が勤まる』
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