第79回 ポイントカードのシステムを最初にはじめたのはヨドバシカメラだったと記憶している(ヨドバシカメラもそう主張している)。当時はビジネスモデルに特許が認められなかった時代だったのかもしれないが、今であれば、確実にビジネスモデル特許に相当するすぐれたアイディアだった。 いまでは競合店もポイントカードシステムを取り入れており、還元率の数値が比較されるようになってしまい、苦しい部分もでてきた。しかし顧客のつなぎ止めと、安いと感じさせる効果はまだまだ持続している。 もともと「還元」には、数字のマジックみたいなところがある。 値引きの実現が次回に繰り延べさせられるので、資金繰りの上でもメリットがある。 目標型のポイントでは、目標点に達するまでにカード自体をなくしてしまったり、もうその店に行かなくなってしまったり、ポイントが滞留して空手形になってしまうことが多い。これを「値引きの不実現」と定義すると、その辺が店側のねらい目でもあるわけだが、まさにそのときに、顧客の流出が生じる。 還元ポイントの主目的を、値引きの不実現におくか、顧客の囲い込みにおくか。飛行機会社のマイレージなどは、多少安くても他の会社に流れないようにして、空席を埋めることの方が重要だろう。こう考えると、マイレージは現在の目標型ではなくヨドバシ型にした方がいいはずだ。 |
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