第69回 サービス業で創業する人のために、新たな雇用補助金が導入されるそうだ。 この補助金は、新規事業にチャレンジする会社に対して、雇用創造の観点から従業員の給料を補助するというもので、制度の趣旨は悪いものではなかった。 「補助金をやるから、このように金を使え」と言われたのでは、いちばん厳密で節約的な考え方をしなければならない時に、カネの使い方がねじ曲がってしまう。また「3分の1補助金がでるから」と、雇用する従業員の年俸の決め方も安易になってしまう。不相応な高額で雇ってしまったこのときの社員は、結局なにも貢献せずに、会社を辞めた。 申請の手続きが、これまた非常に煩雑でマイった。不正の多い制度であるから、運用が厳格なのは賛成できる。しかし、あまりに実質を考慮しない形式的・文言的な運用に、つきあうのがとてもバカらしかった。チンタラちんたら、くだらないことを何度も後追いで言われて書類を補正しているうちに、ついにぼくもキレてしまい、最後の最後に、申請を取り下げてきた。 100万の補助金を得ようと思うと、100万の売上げをあげるのと同じ手間がかかる。 補助金は、依存性の強い、タチのわるい薬物だ。一時的にはラクにはなっても長期的には体質を弱くする。そう自分に言い聞かせて、「補助金依存」の考え方とは縁を切ることにした。これで会社が伸びていけば、カッコいいんだが・・・ |
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