第68回 ぼくも切実に、金は欲しいタイプなので、「金持ち父さん」は3冊も買って読んだ。 だいたいこういう本には警戒してかかる方だが、数ページ読んでみると、けっこう鋭いことが書いてある。 この本では、サラリーマンが資産を増やすためには次の3つしか方法がない、と言い切っている。出世して年収を上げるのが王道。もう一つはベンチャー企業に就職して自社株を持ち、上場させること。そして一番確実な方法は、仕事を発注した業者からキックバックを受けることだ、という。 もちろん最後の方法は、「やりすぎると堀の内側に落ちるから注意しろ」と書いてある。公務員ならやり過ぎなくともワイロ罪になるわけだが、民間人には関係ない。役員にでもなれば背任と思うが、たしかに課長あたりだと犯罪にはならないかもしれない。もちろんモラル違反であることには違いない。 わが社は非常にぶっきらぼうな会社で、キックバックどころか、盆暮れの贈答も接待もまずしないけれども、もしこういうところに、営業のツボがあるのであれば、それも伸び悩んでいる原因かもしれない。事情を知っている人は、このあたりをぜひ教えていただきたい。 ほかにも法人の仕組みとか社会保険のこととか、いろいろ具体的に書いてあって参考になる。文体にはなんとなく左翼的なニオイもあるが、要するに「社会システムにはひずみがあるから、よく勉強してそのひずみをうまく利用しろ」という主張だ。元気のあるときならば反発も感じるだろうが、フトコロが寂しくなってくると、それもひとつの人生かな、と考えさせられる。 |
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