第68回
カネカネカネのケーエイ学13:「黄金の羽根」はどこ?

ぼくも切実に、金は欲しいタイプなので、「金持ち父さん」は3冊も買って読んだ。
せんじつ「日本人には役に立たない金持ち父さんは今すぐ捨ててください」と、威勢のいいコピーの入った本をみつけ、パラパラとめくってみた。橘玲の「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方」という本だ。

だいたいこういう本には警戒してかかる方だが、数ページ読んでみると、けっこう鋭いことが書いてある。
実績で見ると、この10年間で積極的に投資した人はのきなみコケている。結局のところ短期的な投資はみなギャンブルである。また十分な資産もない段階で投資利回りなど言ってみても仕方がない。まず支出を減らし、収入を増やせ。ふーむ。

この本では、サラリーマンが資産を増やすためには次の3つしか方法がない、と言い切っている。出世して年収を上げるのが王道。もう一つはベンチャー企業に就職して自社株を持ち、上場させること。そして一番確実な方法は、仕事を発注した業者からキックバックを受けることだ、という。

もちろん最後の方法は、「やりすぎると堀の内側に落ちるから注意しろ」と書いてある。公務員ならやり過ぎなくともワイロ罪になるわけだが、民間人には関係ない。役員にでもなれば背任と思うが、たしかに課長あたりだと犯罪にはならないかもしれない。もちろんモラル違反であることには違いない。
社内ルールが明確になっていない職場では、ホントに黙認されているのかもしれない。
実際には、なんのルールによって規制されているのであろうか?

わが社は非常にぶっきらぼうな会社で、キックバックどころか、盆暮れの贈答も接待もまずしないけれども、もしこういうところに、営業のツボがあるのであれば、それも伸び悩んでいる原因かもしれない。事情を知っている人は、このあたりをぜひ教えていただきたい。

ほかにも法人の仕組みとか社会保険のこととか、いろいろ具体的に書いてあって参考になる。文体にはなんとなく左翼的なニオイもあるが、要するに「社会システムにはひずみがあるから、よく勉強してそのひずみをうまく利用しろ」という主張だ。元気のあるときならば反発も感じるだろうが、フトコロが寂しくなってくると、それもひとつの人生かな、と考えさせられる。


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