第61回 広告やデザインの業界では、お金の話をせずに仕事が進んでしまうことがしばしばあると前回書いた。これはSOHOの個人クリエーターのみならず、法人でも同じである。 はじめ、これは業界全体の問題だと思っていた。これまで、必要な慣行をつくってこなかった先輩たちか、あるいは業界をリードする大手代理店のやり方が、あまりビジネスライクでなく、情緒的な関係に終始していたのではないか? しかし現在では、そのような考え方はチガっていたかな、と思っている。 つまり、この社会の経済は、基本的に自由なのである。 契約書がないことが不満ならば、契約書を交わすようにもっていけばよい。大手代理店でそのフォーマットをもっていないならば、自分でそのフォーマットをつくって提示するほかない。しかし契約書がなくても、条件を明確にして、なるべくきちんとしたプロセスにのせて仕事を進めることは、やり方しだいである程度は可能だ。 自分でやるべきことをやらずに、業界のせいにしたり法律のせいにするのはどうかと、いっかい自分に言い聞かせたわけである。 |
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