第60回 多くのビジネスマンにとって当たり前のことが、SOHOとして仕事を始めた人には、なかなか難しい。とくに広告とかデザインに関しては、感覚派が多いせいか、お金に関する問題を整理しないまま、仕事に入ることが多い。 わが社では、イラストレーションから仕事を始めたが、イラストレーターは広告デザインの業界でもっとも末端に位置する、弱い立場である。仕事の発注は来るのだが、いったいいくらなのかわからない、という場合がしばしばある。 このばあい、納品後に価格交渉していたのでは、納入した側が圧倒的に不利になるのは当然である。恋人に結婚の約束をしてもらうのに、タイミングとしていつがいいか、賢い娘さんなら知っているはずだ。 このような問題で何度も痛い目にあったので、値決めについては次のようなルールを決め、かなり意識的にやるようになった。 この方法では、不意をつかれて安易に値決めをしてしまうことを避け、自分でも金額の妥当性を客観的にみることができる。また見積りの付帯条件を書いておくことで、後から解決しようとすると難しい著作権などの問題を、いっぺんにクリアにできる。 わが社ではこの見積りフォームを、表計算ソフトではなく、データベースで作成し、経験を蓄積することにしている。このように条件の明確な見積りの記録があれば、契約書を交わさずとも、だいたいはオッケーだ。 |
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