第57回 「こがなきゃ倒れる」「回転してなきゃ倒れる」という意味で、自転車操業とは、悪い経営の代名詞として使われている。 会社を作って10年目になるわけだが、残念なことに「こがなくても動く」と思えたことは、一回もない。一生懸命こいでるつもりでも、なんだかフラフラして、ときどき壁にコスったりしてる。実際のところ、経営はラクでない。 ひるがえって考えるに、「自分の会社はこがなくても走る」と思っている経営者は、いったいどのくらいいるだろうか? つねに技術革新とか業務改善とか、なにか強迫観念にとりつかれたように、追いたてられる。強い企業ほど、そういう意識がある。 進歩なくば死すべし。考えてみると資本主義の理念は、ずいぶんキツイものだ。新聞では、いずれの企業も「勝ち組」と「負け組」に二分されているけれど、勝ってなければすなわち負けという、シンプルな信念がある。そこでは、中間の生き方が許されていない。 ところで、日本の道路には、自転車が走る道がない。 |
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