第58回 自分の会社は自転車であり、こいでなきゃ倒れる。 病気をして入院を余儀なくされたことで、単なる不安とすまされない問題だと気づいた。1週間なら入院もできるが、1ヶ月にもなると会社がとまってしまう。 自分が1ヶ月くらい入院しても、回していける会社にしなければならないし、できることなら、自分がある日死んでも、社員たちでなんとかやっていける会社でありたい。 本田宗一郎は、自転車に軽エンジンをとりつけたバイクの原型、通称パタパタでもって最初の発展をなしたそうである。このパタパタには、ペダルがついており、最初は自分でこがなくてはならないが、そのうちにエンジンがかかって走り始めるというものだったそうだ。 デザインの制作は、基本的には職人仕事であって、人的要素が強い。つねに意識しておかなければならないことだが、われわれは毎年歳をとるし、感性もそれにつれて変容してしまう。いつまでも若い人を相手に、自分の感性をためしていることはできない。デザイン制作から次第に軸足を移していけるものを見つけなくてはならない。 わが社にとって、エンジンになるものとは何か? |
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