第8回
カネ・カネ・カネのケーエイ学1: 消費税、どうしますか?

「面白いことをやりたい。人生、金がすべてではない」
とたしかに考えていたはずだが、いまでは、頭のなかの85%くらいの領域を
「カネ、カネ、カネ!」が占めている。
おカネに関することで、会社を始めて知ったことや感じたことを、
「カネ・カネ・カネのケーエイ学」として、書いてみる。

最初は、消費税のこと。
零細企業として起業した場合、最初の何年かは、非課税業者として
はじまるわけだが、さて非課税業者は、消費税が請求できるのかどうか?

逆に言うと、あきらかに非課税業者である取引先が、
消費税を請求してきた場合に、
こちらとしては支払わなければならないものだろうか?
ルールがあるのか、それとも交渉次第なのか、
はたまた自社の方針によるのか。
法的な観点からは、専門家に聞いてもらいたい。

わが社でも、最初のころは、
請求してみたり遠慮してみたりと、軸ブレしていた。
そこで、この問題について、わが社の相談役にきいてみた。
彼の意見はひとこと、
「相手にとってみたら、あんたが非課税業者かどうか、
 バレバレじゃないか。
 いったい、どのツラ下げて消費税を払えというのか?」
まあ、それで方針は決まった。

数年後、わが社も晴れて課税業者となった。
してみると今度は、あきらかに非課税業者と思われる取引先から、
消費税を請求されたりする立場だ。
「オタク、課税業者なんですか?」
と、聞いてみたりすることもあるが、黙って支払うこともある。

今ではこう考えている。
消費税は、買い手が国のために支払う税金だ。
売り手が、はなから国に払う意思がないのに消費税として請求するのは、
制度的にはどうあれ、事実としては「詐取」である。

消費税を請求されたという、そのことだけで今後取引しない、とは考えない。
仕事っぷりによっては、継続して仕事を依頼することはある。
ただ、その人を全体的に見るとき、誠実さという面において1点マイナスだ、
と評価されてもやむを得ないのではないだろうか。


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