第6回
組織ケーエイ学4: 独立、起業、経営。
会社を辞めたい、あんなタコな上司のいうことを聞いてられない、
と思うときは誰にでもあるようだ。
独立、起業、経営。
会社勤めのころは、どれも似たような言葉という気がしたけれど、
実際にやってみると、それぞれ全然違うフェーズである。
タコ上司に従っていられない、というときは、
たぶん独立をすれば解決すると思うが、あえて起業する必要があるか。
会社経営にもっていく必要があるかどうか。
(自分のときは、そんなこと、考えもしなかったが・・・)
ぼくの場合、独立はしてない。
結果的になんとか起業はしたけれど、
経営までは、まだいってない感じだ。
その仕事にノウハウがあり、営業のバイタリティがあれば、
なんとか独立くらいはできるのではないだろうか。
実績重視の世の中だし。
ただ、われわれの社会で、起業は、じっさいにはかなり難しい。
自分の構想を明確にすることで精一杯のところ、
人を説得できるところまでいくかどうか。
自治体の起業支援プログラムなどを研究してみるとわかるが、
彼らの言う「起業」とは、せいぜい独立にすぎず、
「のれん分け」のイメージである。
彼らが理解できる範囲で支援しようとする以上、仕方のない限界だ。
これまでにない仕事をして、これまでにないマーケットをつかむ、
という意味で起業するぞとがんばった場合、
まず理解してもらえないと考えておくべきだ。
スターバックスのシュルツ会長は、
イタリアのカフェを手本とする自分の計画を話して
資本家200人以上に断られたそうだ。
こうして出資者をみつけるのに1年かかった。驚異的なねばりだと思うが、
心理的にはボロボロだったそうな。
「この事業は、まずあなたには理解できないでしょうが、
ぼくを信用してお金を貸してください」というしかないかナ。
だったらカネを出してくれる人も限られるし、金額もしれたもの。
その範囲で考えられることをする、というくらいしか、
ぼくにはできなさそうだ。
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