第49回
経理の視点
税務調査は通常3年に1度くらいと云われていますが、
申告に間違いがなく追徴課税がなければ、
優良申告法人とされ、
調査の期間が5年に1度くらいに延びることもあります。
1回の調査でだいたい3年くらい前までさかのぼりますから、
期間が5年おきになると、
仮に間違った処理があったとしても
それが見過ごされる可能性がでてくるため、
精神的なものだけでなく、納税の面でもかなりおトクです。
逆に、大口で悪質な経理が指摘された場合には、
継続管理法人として、毎年調査されることにもなってしまいます。
よって、
「脱税に要する費用はほぼ納税額に等しい」
という言葉もあるくらいですから、
申告はきちんとしておいた方がいいのです。
ただ、脱税の意図がなくても、
調査で指摘されてしまうことがあります。
処理の間違いであっても、
追徴課税ということになると、
当然、延滞税のみならず過少申告加算税などというような
余計な支払もしなくてはなりませんから、
日ごろから注意しておかなくてはなりません。
よく間違えるものとしては、
交際費とすべきもの、役員賞与になるもの、寄付金とされるもの、
修繕費のうち資本的支出になるもの、
資産計上すべき保険金などがあります。
またこの他に、
売上の漏れや経費の過大などがよく指摘を受けるところですが、
これらは、仕事の流れがきちんと理解されていれば防げる間違いなので、
これは徹底しておきたいところです。
経理は独立的な仕事と思われがちですが、
あくまでも会社の業務を複式簿記で表したものに過ぎません。
よって、経理は会社の業務そのものであるということを
よく理解しておくべきです。
これは、一見当たり前のことのようですが、
経理をチェックするボクらの視点でもありますし、
税務署が調査する時の視点でもあるのです。
また明日。
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