税理士・濱田善行さんの
「こんなんありだ税っ!」

第28回
管理者がいないジャン!

ここのところ、とある会社に詰めている。
社長が突然の大赤字にビックリして、
我々に業務見直しのコンサルを依頼してきたのだ。

行ってみると、
会社全体がなんとなくお仲間で、
管理職がうまく機能していないように思えた。

参ってしまうのは朝の会議だ。

「A現場の工期が遅れてます。」
「B現場で担当課長さんからクレイムがきてます。」
「C現場の完成報告が期日を過ぎてもまだあがってきてません。」

報告者はれっきとした当社の本部長さんだ。
出来事を伝えるだけなら新入社員にでもできるし、
わざわざ会議などしなくてもメールで充分だ。
管理職に求められているのは、
その事実がなぜ起こったのかという原因究明と解決案、
そして将来を見据えた問題提起であるハズだ。
その報告を受けて、
社長が判断し、決定を下し、
会社の方向感を共有することが会議の目的であるのに、
延々とこのような現状報告が続いた後は、
社長「あれはどうなってる?」
本部長「今やってます。」
という結論のない問答が続き、
社長がキレて閉会となる。
こういうおきまりのパターンは
ドラマの一場面として見るには面白いが、
朝早いだけに眠い。

もちろんデフレ圧力も強いわけだから、
原価構造の見直しも急務ではあるが、
このように管理職が管理職として機能していない、
つまり管理者不在の状況が、
この会社の問題の根っこであるように思う。
さらに云えば、
こんな状況を続けてきた社長の管理能力に問題があった
ということなんだが、
そうとは云わず、
変化球で勝負するボクらです。

また明日。


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