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第77回
まとめ(2) 炒めものの調理法とコツ その1


中国料理といえば、
まず最初に思い浮かべるのが炒めものです。
実際、中国料理を調理法で分類したとき、
最もその種類が多いのも炒めものなのです。
中国では炒めもののことを「炒菜」と呼び、
家庭では一品料理として出されますが、
宴席料理では温かい前菜として扱われます。
一口に炒めものといっても、
中国料理では油の量や温度、炒め方などの微妙な差によって、
呼び名が変わります。
最も一般的な炒めものが「炒(チャオ)」、
これは炒めること全般をさすとともに、
さらに細かく調理法によって分けられます。
そのいずれにも共通するのが材料を
強火で短時間に炒めることです。
この方法は、材料のもち味がいき、栄養価の損失を防ぎ、
仕上がりの色もよいのが特徴です。

干炒(カンチャオ):
少量の油で材料を直接炒めます。
材料の水分を徐々に少なくし、スープも少量しか使いません。

滑炒(ホアチャオ):
材料に下味をつけ、油通しをしてから炒めます。
調味料はあらかじめ合わせておき、
一度に入れて手早くからめます。

清炒(チンチャオ):
同じく下味をつけた材料を油通しし、
少量の油で炒めますが、塩味で仕上げます。
材質がやわらかいもの、たとえば魚などは、
くずれやすいのであまりこの方法に向きません。

生炒(シェンチャオ):
生の材料に下味をつけ、油通しをしてから炒めます。
塩味もしょうゆ味もあり、材料によって使い分けます。

抓炒(ツォワチャオ):
北京料理独特の炒め方。
下味をつけた肉類を、やや色づく程度に揚げ、
甘酢のきいたタレにからめて炒めます。
「爆(バオ)」は「炒」よりもさらに強火で
短時間に炒める方法で、北京料理に多い調理法です。
「爆」もその種類はいろいろあります。

油爆(ユウバオ):
主材料を下ゆでして水けをきり、
さらに油通ししてから強火で手早く炒めます。
ねぎやにんにくを先に炒めて香りをつけ、
最後に水溶きの片栗粉でとろみをつけます。
これも、調味料は合わせておき、手早く味をつけます。

塩爆(イェンバオ):
油爆と似た方法ですが、香りづけに中国パセリを使い、
塩昧で仕上げます。とろみはつけません。

醤爆(チャンバオ):
下味をつけた材料を油に通し、黄醤や甜麺醤を使い、
強火で手早くからめるように炒めます。

葱爆(ツォンバオ):
多量のねぎを強火で炒め、その香りを材料に移す方法です。
羊肉や内臓類など、臭みの強い材料を炒めるのに向きます。
「(火に辺)(ビェン)」は、主材料を少量の油で炒め、
水分を徐々になくして六分通り火が通ったら
副材料を入れて炒めます。
炒めものは簡単にできると思いやすいものですが、
中国ではプロのコックを雇う際に試される
調理法のひとつとまでいわれます。
つまり、簡単そうに見えても
いちばん失敗もしやすい調理法なのです。
炒めものは、材料のもち味を損わずに風味をひき出し、
油で炒めることによって栄養価を増し、
色をきれいに仕上げる調理法です。
上手に炒めるためのポイントを覚えましょう。


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2004年10月20日(水)

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