ただ、もやしの料理は、手間がかかります。
ほんとうにおいしくいただこうと思えば、
もやしの頭と尻尾を
ひとつずつていねいに摘み取らなければなりませんから。
こうやって下ごしらえしたもやしを、
中国では銀芽といいます。こうすると、
ほんとうに口ざわりもよく、おいしくいただけます。
もやしはそのまま炒めると水けが出て難しいので、
一度さっと下ゆでします。あとで炒めますので、
ゆですぎないように堅めのうちに出してください。
柔らかくくたっとなりすぎたもやしは味けないものですから。
簡単な作り方で、あっさりした料理ですが、
味の上では、野菜料理の中でもとくにおいしいと思います。
それに薄焼き卵も卵白だけで作ってありますから、
全体に色が白くて、実にきれいです。
卵白が余ったらぜひお試しください。
そういえば、昔、私が小さい頃には
人手がたくさんありましたので、もやしの腹に切り目を入れ、
その一本一本に肉を詰め、それから炒めるという、
今考えると気の遠くなるような料理を
いただいたことがありました。
今ではとても考えられませんが、
あれはさすがにおいしいものでした。
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