シェンタンというのは、
家鴨の卵を灰と土と粗塩の中に漬けたもので、
ここではこれを生のままふつうの卵と混ぜて使います。
黒い灰を落としてゆでれば塩のよくしみこんだゆで卵となり、
これもお粥のお莱としておいしいものです。
横浜の中華街のようなところなら売っていますが、
手に入りにくいなら、この分量だけ
ふつうの卵を増やせばよろしいでしょう。
毎日重たい食事をして胃が疲れているようなときには、
こんな料理がぴったりです。
ここでは豚のひき肉を合わせましたが、
貝柱、えび、干しえび、かに、鶏肉、牛肉、蛤などに
替えてもかまいません。
でもいずれにしても、卵のおいしさを賞味する料理なので、
味が複雑になりすぎないように、
一種類だけにするほうがよいでしょう。
もっとも、干し椎茸を加えることもあります。
上に散らしたのはわけぎですが、あさつきやねぎでもよいのです。
ねぎのほうが香りはよいかもしれませんが、
青い部分を使うほうが彩りとしてはきれいです。
ねぎが太い場合は、縦に二つに割ってから小口切りにします。
スを立てずに上手に蒸すには、ふたの間に箸をはさんで
少しすき問をあけ、蒸気を逃がして蒸すようにします。
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