第1077回
中国における“人財開発”がテーマの一つ
上海でのセミナーには
日本から参加いただいた方々のほか、
上海を中心に中国の各地で
活躍なさっている方々にも
参加いただきました。
私自身は、この10年ばかり、
日本での企業内研修にかかわり、
人材の開発に取り組んでいますが
その体験からの連想で、
中国の各地で活動する友人たちが
職場で取り組むべき課題の一つは、
一緒に仕事をする中国の人たちの
職務遂行能力をどう高めていくか
という点があるのではないかと考えています。
そういう考えから、
中国で働く日本人の友人たちに、
参考になるのではないかと思い、
邱さんがお書きになった一冊の著作を持参し
セミナーの中で紹介させていただきました。
その一冊の著作とは、
『人財論』という本です。
この本には
「『会社人間』は社員教育の結晶である」
「忠誠心のない者は戦力にならない」
「労働力の質的向上は従業員の定着から」
「時間の観念と品質の観念があるか」
といったことが書かれていています。
日本の会社に勤めたことのある人には、
ごくごく常識になっていることですが
「筋金入りの愛社心は外国でも育つ」
「利己心を刺戟する社員教育もある」
「日本人にできることなら中国人にもできる」
「中国大陸がNIES(新興国)の仲間入りをする」
「人財開発の桧舞台は日本から中国へ移る」
といったことも書かれていて、
この本が“中国大陸における人財開発”を
テーマにした本であることがわかります。
若い人たちはたぶん、この本は
手にしたことがないだろうと思って、
紹介しました。
ついでに、中国で働く日本人にとって
自分の役割とか使命とかを考える上で
役立つだろうと考え、
『日僑の時代−世界の富をもたらす新しい伝道者たち』
という本も持参して、紹介しました。
この本は、日本が築いた
トップレベルの生産や経営の技術を提供して、
中国を中心に新興国での富の創造に
貢献しようというメッセージが伝えられ、
中国で働く人のモティベーションの向上に
役立つと思いました。
そして、邱さんが、最近、
「日本人はサービス精神にすぐれている」
とおっしゃっていることにふれ、
日本人が持っている美徳や長所に誇りを持ち、
使命感をもって仕事をしていただくと、
中国の人たちから喜ばれるのではないでしょうか
と激励しました。
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