第1033回
「ワクワク感じる方向に進みます」
日本語学校の先生として、
上海に赴任することが決まった
友人たちの歓送会の席である女性から
「私も中国の大学に留学することにしました」
というメッセージをいただいたことを、
前回、ご紹介いたしました。
ご本人は上海か北京、
どちらに留学するか、
まだ決めていないとのことでしたが、
中国の大学に留学する決意はかたいようです。
そこで後日、
中国の大学に留学を決めるに至った経緯について
たずねましたら、
次のような説明をいただきました。
「安定した会社を捨て
いまの会社に転職し、
1年もたっていないのに、
ここを辞めて、今度は中国に留学すると言って、
家族から、呆れられました。
とくに母親は反日デモのことなどを心配し
強く反対しましたが、結局は
『この子は、言い出したら聞かない』と、
諦めてもらいました。
昨年、『わくわくする!楽しそうだ!』と感じ
安定した会社を辞めて、不安定ではあるけど
興味を感じる世界に飛び込みました。
一生懸命働き、一通りの仕事も
できるようになりましたが
残念ながら、自分の思い描いていたものが、
そこにはないことがわかりました。
希望を持って飛び込んだ世界が
『思っていたのと違う。間違えたみたいだ』
ということを認めなくてはならず、
正直、とっても辛かったですし、
なにもかもなくなったように感じ
ずいぶん落ち込みました。
でも、落ち込みながらも、
どうやら私は、
ワクワクした感じが得られそうな方向に向かって
進んでしまうようです。
また『違った。間違えた』と思うかもしれません。
しかし、行ってみなくては、わかりません。
『迷っているなら、心がわくわくする方へ行こう』。
そう考えて中国への留学を決めました。
先のことは、どうなるか分りませんが
自分なりに、中国を感じ、
中国で何が出来るのかを
見てきたいと思っています 」
心の充実感を得られる方向を目指して
動いていく、また違っていたら
舵を切って方向を変える、というのは、
結構、勇気の要ることだと思います。
すばらしい生き方だと思いました。
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