第897回
「中国の自動車株を買っとくといいね」
深センを訪れた話の続きです。
私たち夫婦を含む7人の日本人グループは
深セン市の蓮花山公園の頂上に上って
ひらけゆく深センの街をゆっくり眺めました。
そして、公園の入り口まで帰ってくると
2人のタクシーの運転手さんが
私たちを待ってくれていました。
念のため地図を出して、
香港行きのフェリーが出ている
蛇口に行きたいことを伝えると
「わかった」という表情で
運転手さんは車を走り出させました。
さて、走り出した道は、
片車線、4本もある一般道で、
そこを80kmの猛スピードで走り続けました。
沿線には、マンションやオフィス用の
大きな建物が続きます。
走り続けていくと右手に
広州本田の看板が見えました。
しばらくすると今度は左手に
三洋電機の看板が見えました。
本田も三洋電機もこの辺で
生産活動を続けていることがわかり
日本の企業も参加することで
中国の経済発展が進んでいることがわかります。
さて、その道中で、
同乗していた妻が、ふと、
「中国の自動車株を買っとくといいね」
と言いました。
妻は、日ごろは株のことなど一言も言いません。
絵を描くことには熱心ですが、
経済のことを口にすることもありません。
それが、突然、「中国の自動車株がいいですね」
と言ったので、ビックリしたのです。
また、マンションの一番上の看板に
「青春」と書かれているのを見て
「この街にピッタリのネーミングですね」
と面白がりました。
妻も深センから強い印象をうけたようです。
深センの高速道路を走って衝撃を受けたのは
ご一緒してくださった方々も同じです。
長野から参加された方は、
「車中、『上の空』の心境で
東京の街も小さく思え、
『井の中のカエル、大海を知らず』
という言葉が頭に浮かびました」
とのことでした。
また名古屋から参加された方は
「上海に行ったときもショックを受けましたが
この街にも強烈な印象を受けました。
まったく『百聞は一見にしかず』ですね」
と語ってくれました。
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