第888回
「少数意見こそ株式投資のコツ」
昭和47年と言えば、
円が固定相場制から
変動相場制に移ったころのことです。
そうした時期に邱さんが書いた評論を
収録しているのが
『世の中どう変わる』で
この本の中に、
「少数意見こそ株式投資のコツ」
と題した評論が書かれています。
その部分を引用させていただきましょう。
「株式投資は民主主義ではダメで、
少数意見でなければ金が儲からない。
まだ誰もが気がつかないときに株を買う。
みんながやっと気がついて、
それがずうっと普及していって、
なるほどそうだとみんなが賛成したら
『それではお譲りしましょう。
これから先はあなたにおまかせいたしましょう』
というのが株式投資である。
しかし、人と反対のことをやるには、
かなりの勇気と先見の明がいる。
自分にそれがなくても世間には先見の明もあり、
この人のいうことならばと
指標になるという人が何人かいる。
そういう人を指標にしてやれば、
株式投資で成功できる可能性がある。
それならば、人がその通りにするかというと、
まず十中八九までやらないだろう。
“金儲けの神様”などといわれて、
私の信者は多いけれども、
私の言ったとおり実行する人は、
残念ながら、リョウリョウたるものである。」
(『世の中どう変わる』
「少数意見こそ株式投資のコツ」昭和47年)
邱さんが明らかにされた
「株の原則」の性格が
ズバリ表現されているように思います。
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