第853回
邱さんの生きてきた道はスリルに富んでいます
私は邱さんの思想研究を
ライフワークにしています。
そうしたことから、次に香港に行く時は、
邱さんが台湾から
命からがら香港に亡命したとき
居候したさきのあたりを
ゆっくり見て回りたいと思っていました。
ですから、皆で香港に行きましょう
という話が起こったとき、
自分は途中でグループから抜け出て、
邱さんの足跡を訪ねるかもしれないと言いました。
すると、話をもちかけてくださった人も
邱さんのゆかりの場所を
訪ねてみたいとおっしゃいます。
ほかの友人にたずねても同じ答えが返ってきます。
考えてみれば、みな邱さんに関心を持つ人たちで
スリルに富む邱さんの生きてきた道に
ふれられるのであれば、
ぜひ参加したいという心情の持ち主なんですね。
そこで、
「それでは一緒に“邱さんの足跡”を訪ねましょう」
ということになりました。
私は、さっそく本棚から、
『わが青春の台湾 わが青春の香港』を取りだしました。
この本は邱さんが生まれてから、
再来日するまでのヒストリーが書かかれていて
邱さんが台湾から香港に亡命したとき、
居候した場所とか、
結婚して家を新築された場所などが
記述されています。
それから幾星霜の年月がたち、
邱さんは平成4年、次はアジアの時代だと
本拠を日本から香港に移しますが、
そのころの活動が書かれている
『香港発・娘への手紙』のページを繰ると、
邱さんが本拠とした住居などが
詳しく書かれています。
こうして、訪ねたいと思う場所をメモし、
どういうところを訪れようとしているか
香港行きを提案してくれた友人や
香港でいま活動している友人に伝えました。
|