Qさんは、かつて「知恵は借り物でも知恵である」と書きました
そういうことをおっしゃる人の知恵ならいくら借りてもモンクは出ませんね

第849回
ヴォーゲル先生の『中国の実験』を読み直しました

香港のセミナーを来年の1月9日にひらきますが、
私は7日に香港に入り、翌日の8日、
シンセンに行くことにしています。
どうやって、シンセン・ツアーを楽しむかな
などと考えながら、渋谷の古本屋さんの前を通ったら、
エズラ・ヴォーゲルさんの書いた
『中国の実験』が目に入りました。

この本が出版されたのは10年ほど前のことで、
邱さんが自著のなかで紹介されましたので、
その時点で私なども、この本を買って読みましたが、
シンセンや東莞など広東省における
経済開発の経緯を再び確かめたくなって、買いました。

早速、電車の中でこの本のページを繰って、
ザーッと目を通しましたが、
邱さんがこの本について書いているエッセイを
読みたくなり、家に帰って、
1993年に出版された
『日本脱出のすすめ』を手にすると
邱さんがこの本のことについてふれている箇所と
出会いました。
以下に、この本が誕生するいきさつについて
お書きになったところを引用します。

「ヴォーゲル教授の『中国の実験』が出版されて
一読する機会に恵まれた。
ヴォーゲル教授は『ジャパン・アズ・ナンバーワン』を
書いたくらいだから、日本語もできるし、
日本語以外にマンダリン、即ち北京語もできる。

そこに目をつけて中国で
最も市場化に成功した広東省が
自分らのやってきた改革のあとを辿って
レポートを書いてくれないかと
教授に頼んできた。

ヴォーゲル先生にとっては
全く予期しないことだったので、
いささか戸惑って、共産党のことだから
人の名前をうまく利用して都合の悪いところは
勝手に原稿を改竄するのではないかと心配した。

相談のために広州入りする時も、
往復の旅費は自腹を切ったそうである。
実際に広東省のトップの人たちに会ってみると、
話のわかる人たちばかりで、
決して直すことはありません
という保証を得ることができた。

そこで約半年間、自分の学生だった
中国人の青年を動員して、
広東省下の市町村を百ヶ所ばかり実地に歩いて
まとめあげたのが『中国の実験』である。」
(「メシのタネはアジアに在り」
 『日本脱出のすすめ』に収録)


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