第755回
人に好かれるよう心がけましょう
邱さんは『女の財布』で
女性が事業で成功するための重要な要件として、
「義理人情を心得ていること」
を挙げていますが、
水商売に従事している人の
ふるまいにふれながら
人に好かれるように心がけることが
大切であることを伝えています。
「いわゆる水商売は簡単といえば簡単だし、
難しいといえば、難しい商売である。
簡単であるというのは、
『一ぺん来てくれたお客が
また続けてきてくれればよいし、
また一人で来てくれたお客が
その友達を連れて来てくれれば、成り立つ』
商売だからである。
ところが、最初の一人が定着してくれるかどうかは
それほど簡単ではない。
料理が気に入らなくても来なくなるし、
料理の出し方が悪くても来なくなる。
従業員の応対の仕方が悪くても、
お勘定が高すぎても来なくなる。
勘定の高い安いも、味のよしあしも
きわめて主観的なもので、
飲み屋やクラブに至っては、
酒やビールの味は全く同じで、
値段だけが3倍も5倍も開いてくるから、
『お客に安いと思わせれば安い』し、
『高いと思わせれば高い』のである。
その違いはすべてのサービスから来るから、
サービスには細心の注意を払わなければならない。
しかし。それでもちょっとした不注意で、
お客はたちまち姿を見せなくなってしまうので、
水商売くらい難しい商売はないのである。
すべて商売が
義理人情でなりたっているわけではないけれども、
女性の商売の大半はサービス業に属し、
人が集まることによって
はじめて成り立つ商売だから、
『義理人情を心得ていること』は
女の人にとってお金と縁があるようになるための
不可欠の条件といってよいのではあるまいか。
女が豊かになるためにはへそくりをつくったり、
株を買ったりして小金を貯めるが、
人に好かれるように心がけることよりも、
ずっと大切なのである。」
(『女の財布』)
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