第752回
妻が仕事をするメリットは大きい
邱さんはかつて、女性は家庭の中で、
育児や家事に勤しんでおくのがいい
と考えておられたようですが、
長じるに応じて、女性も
家の外にでて仕事をするのがいい
と考えるようになったとのことです。
そうした考えを反映し、
『女の財布』には
「仕事を持つ妻は良妻である」
という章があり、その中で
主婦が仕事に従事することの長短を
次のように論じておられます。
「妻がどんな仕事に向いているのか、
妻と夫と同じ職場で同じ仕事をしたらよいのか、
それとも別々の仕事をしたらよいのかは、
人によって考え方が違うだろうし、
また、おかれた環境によって選ぶ仕事も違うだろう。
しかし、妻が夫の付属品でなくなり、
同次元で物を考えたり行動することが望ましい。
さらに、亭主は勤め人気質で、
とても自分で事業をおこすような才能は
待ち合わせていないが、
案外、奥さんのほうに
金儲けの才能があることがわかったら、
奥さんが一足先に事業家になって、
一家の大黒柱になることも充分、考えられる。
いずれにしても、
妻を職場に出すことから
次のようなメリットが生じてくることは間違いない。
(1)妻の収入がふえた分だけ家計に余裕が生ずる。
(2)金銭とか、財産とか、経済について、
女の視野がひろがってくる。
(3)世事に敏感になり、反応が早くなる。
(4)家計に対して自信を持つようになり、
主人が死んでも路頭に迷わなくなる。
(5)とくに、事業に従事して“採算” を考える立場になると、
一家に大黒柱が2本できたような安心感が
家中にみなぎるようになる。
ではデメリットはどうだ、ということになると、
(1)家庭内に男の雑用がふえる。
(2)下手をすると、仕事の上でも男のほうが
コンプレックスを味わわされる
(3)オヤジの権威が地に墜ちる
といったようなくらいなことで、
もし、オヤジの権威が地に墜ちて既に久しいとすれば、
実質上のデメリットはほとんどないといってよい。」
(『女の財布』)
この世には、
奥さんは家の中にいてもらえばいい
という女性観を持った男性も結構います。
かくいう私もそういう考えをしていた一人ですが、
そういう人にとって、参考になる分析です。
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