第718回
“わかりのいい年寄り”もいますよ
年をとったら人間は
世の変化に対して
どんな反応をするものでしょうか。
私の体験したことでいうと、
自分の周辺の人が、
中国株という新しい種類の株に対して
どういう態度をとってきたかが
一つの事例を示してくれるように思います。
私は邱さんが中国における
新しい動きについての解説に耳を傾け、
それを参考にして
自分の財産の運用を図ってきたほうで、
わりに早い時期から
中国の株を買った方だと思いますが
3年ほど前には、私の周辺で、
中国株に関心を持つ人は誰もいませんでした、
たまたま、中国の人も
上海B株が買えるということになって
私が買っていた中国の株も
値を飛ばしだしましたが、
そのことが知れ渡ると、
私の周辺でも中国の株に対する関心が
生まれてきました
そんななか、
以前、証券会社につとめていた人が
中国における株の動きに関心を持ち、
盛んに、いま相場はどうなっているかとか、
参考になる本を教えて欲しいといってきて
このくらい熱心なら早晩、
中国株を買いだすだろうと思っていました。
ところが、ある日、「中国株はわからん」
といって、ポーンと匙を投げてしまいました。
一方、IT関係の会社のエンジニアとして
活躍してきた人で、
会社につとめていた頃は
勤務先の会社の株を買ったくらいで、
投資というほどのことは何もしていませんが、
私が中国株でそこそこの成果を
上げていることに目をつけるや、
満期になった定期預金で
中国の株を数銘柄、買いました。
そして邱さんの本なども読んだようで、
「北京オリンピックの頃までは一喜一憂せずに
ずっと持ち続けるつもり」と決め込んでいます。
株のことをよく知っているはずの
元証券マン氏が中国株とのつきあいを放棄し、
株のことなどさして経験したことがない
元エンジニア氏が中国の株を買いだしたのは、
人間が未知の新しい動きに
どう対応するかの
対照的な事例を提供してくれています。
将来に向かう姿勢が大切で、
それまでの経験などさして
関係しないことを示していて
興味深いことです。
またこの事例は年をとった人のなかにも
“わかり”のいい方がおられることも
教えてくれています。
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