第649回
「若いときから新しい仕事への挑戦を続けよう」
『死ぬまで現役』のなかの
「経験が人間を駄目にする」と題する章を読んでいると
「新風を自分自身にもたらす法」
という言葉に出会います。
「新風を自分自身にもたらす法」なんて
いいなあと、思わず立ち止まってしまいますが
邱さんが精神的な若さを保持される上で
心がけておられることが
書かれているようにも思えます。
抜粋させていただきましょう。
「新風を自分自身にもたらそうと思えば、
体験して身についたことをやめることであろう。
年をとると、なかなか転換が難しいというが、
それは同じひとつのことを長くやりすぎて
すっかりつぶしがきかなくなってしまったからである。
したがって
年をとってから方向転換するのではなくて、
若いうちからしょっちゅう
新しい仕事に挑戦しておれば、
年齢に関係なく、対応の要領が身につき、
自分自身がいつも新鮮な気分で
新規の開拓ができるのではないだろうか。
とにかく変化の激しい時代になると、
経験はほとんど自慢にならなくなってしまった。
とすれば、年寄りが若い者に自慢ができることは
ますます少なくなってしまう。
誰にもプライドというものはあるのだから、
経験が自慢にならなければ、
ほかに自慢になりそうなものを
見つけて来なければならならない。
若い人たちにも敬服されるような『柔軟な頭脳』と
『計画を実行に移せるだけの実力と信用』が
何とかして見につかないものだろうかと思う。」
(『死ぬまで現役』平成元年)
いまから15年ばかり前、
邱さんが65歳のころに書かれた文章ですが、
なぜ邱さんが
若者のこころをひきつけるのか、
その秘密にふれる思いがします。
柔軟な頭脳や果敢な実行力を身につけるには
若い時からの修練が必要であるとのご指摘は
とっても貴重なアドバイスですね。
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