第118回
邱さん曰く「自分で考え、自分で選択することが大切」
邱さんが書いてくださった文章を引用させていただきます。
「これは私が書いた本ではなくて、
私のファンが私のことについて書いた本です。
私の著書文庫本を入れて全部で350、60冊はあるかと思いますが、
2冊を除いて全部持っているという戸田敦也さんは
少々度のすぎた私の信徒の一人と言えるでしょう。
『出版社の社長さんにすすめられて、
定年を迎えるサラリーマンの話を書きましたから、
お目通し願えませんでしょうか』
とゲラ刷りを持ってこられたので、パラパラとめくりはじめたら、
とうとう最後まで読んでしまいました。
私をお手本にして自分の生き方を決めたと言って、
私のことが最初から最後まで出てくるということもありますが、
東大卒の新日鉄のエリート・サラリーマンにこれだけ信頼され、
人生の探照灯としての役割をはたしたのかと思うと、
責任の重大さを感じてしまいます。
はたしてそれだけの値打ちがあったのか、
顧みてじくじたるものがありますが、
定年を迎える前に会社を辞めることのできた
サラリーマンの実話として結構面白かったので、
私がすすんで序文を書き、本のタイトルも
『あなたも賢者になれる』(私は邱永漢さんの知恵を借りた)
とつけてさしあげました。
読書をあれこれやっているうちに心酔できる人に出会い、
それによって自分の生き方を選択出来たら、
これもいい人生のめぐりあわせと言ってよいでしょう。
但し、いくら私に心酔した戸田さんでも、
無条件に私の言いなりになったわけではありません。
自分で考え、自分で選択をしたことは本に書いてある通りです。
皆さんがこの本を読んだら、
読書のプロセスでどういう取捨選択ができるか、
参考になるんじゃないかと思って、
グラフ社にも了解を得、
戸田敦也さんにもサインしてもらうことにしました。
在職中に実行できるだけのことを実行に移し、
早くから定年後のプランもたてて、
後顧の憂いのないようにした戸田さんの生き方は
サラリーマン人生の一つのモデルケースです。
ぜひご一読下さい。」
(戸田敦也著「あなたも賢者になれる」グラフ社刊1300円)
私が舞い上がるような気分になったのは言うまでもありませんが、
PRコーナーには、「読者プレゼント」に応募して、
籤をあてた10人の人たちの名前がもう出ていて、
早くサインしなければと思ったことでした。
|