| 第14回 不動産を選ぶ要領は一目惚れ
 
 誰でも経験のあることだと思いますが、自分でやってみたいことができると頭の動きが活発になり、
 それまで思いつかなかったアイデアが出てきます。
 私の場合、投資向きのマンションを手に入れたいと考え、資金調達の方法を考えたときがそうでした。
 資金調達の方法に目処がついてくると、
 老後に向けた生活設計の第一歩として、
 ワンルームマンションを実際に探すことに熱が入ってきました。
 どの辺のマンションを手に入れるかの見当が必要になってきます。
 私と妻は大学時代に友人の紹介で、出会ったことがきっかけになって結婚しました。
 その最初の出会いの場所が渋谷のハチ公前です。
 このハチ公前から宮益坂を登っていくと
 邱永漢さんの東京の事務所があります。
 この宮益坂を登り、表参道に向かうあたりがいいかなあ
 ということになりました。
 その界隈のマンションを見て歩く中、妻が突然、指をさして、
 「あのマンションがいい」
 と言い出しました。
 妻が指を指した建物はデザインに特徴があり、
 それにひかれての直感的判断でした。
 あとで知ったことですが、このマンションは、
 高名な建築事務所の設計によって建てられています。
 最近は不動産屋さんも表通りから姿を消し、
 めっきり数が減りましたが、
 私が不動産の購入に興味を示した頃は、
 町の表通りに不動産屋さんがずらりと店舗を出していました。
 私たちは早速そのうちの不動産屋さんに駆け込み、
 見てきたばかりのマンションに売り物が出てないかとたずねました。
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