蓬莱仙人・大海淳さんの
身体にいい話

第297回 (旧暦12月16日)

今日は「七種」の日です

新年おめでとうございます。
今年もよろしくお付き合いのほど、お願い申し上げます。
さて、今日は正月7日で、「七種(ななくさ)」の日です。
「七種」というのは、正月7日に、
芹(セリ)、なずな、御行(ハハコグサ)、はくべら(ハコベ)、
仏座(コオニタビラコ)、すずな(カブ)、すずしろ(ダイコン)
の7種類の若菜を摘み、これを粥に炊き込んで食べる行事で、
これら若菜を「春の七種」、
そして、その粥を「七種粥」といいます。

この行事は、むかし、中国では
正月7日を「人日(じんじつ)」と呼び、
この日に7種類の若草を飾って
1年の無病息災を祈る習わしがあったことに因んだものですが、
日本では宇多天皇の時代(887〜897年)に
新年の最初の子(ね)の日(初子)に7種類の若菜を摘んで
羹(あつもの)にして食べるようになったのが
始まりだとされています。

もっとも、七種の行事に使われる若菜が
上記の7種類に定着するようになったのは比較的新しいことで、
時代や地域によっては、この日の粥に入れるのが干栗や干し柿、
ニンジン、ゴボウなどであったり、
7種類でなく12種類あったこともあるのです。
それは、この行事はもともと宮中で始まったものであり、
したがって、旧暦の正月7日のころに
京都周辺で摘める若菜が使われることになったのですが、
雪の多い地方や北国では、
この季節に青菜など手に入れられなかったからにほかなりません。

また、現在では、この「七種」を新暦の正月7日に行いますが、
そうすると、旧暦とは1か月近い生物季節のズレがあり、
実際に野に出て春の七種を摘もうとすると、
発祥の地の京都周辺でも全部摘むことは不可能です。
そのため、最近では、七種のためにハウス栽培した
「七種セット」がスーパーなどで売られるようになり、
ほとんどの人がこれで七種粥を作っているようです。
しかし、仙人の場合は、新暦の七種には野で摘めるものは摘み、
足りないものはタンポポやノゲシなど
この季節でも使える野草で代替して七種粥を作り、
もう一度旧暦の七種に本来の七種粥を作って楽しみます。

若菜摘み

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