第53回 (旧暦2月23日)
タンポポを見直そう
生物気象の統計によれば、
3月25日ころが関東地方南部の
タンポポ開花日にあたります。
タンポポはもっとも身近な野草のひとつで、
ともすれば雑草あつかいされがちですが、
どうしてどうして、
食薬兼用のすぐれた有用植物ですから積極的に利用したいもの。
若葉、若茎、花のほか根茎も食べられ、
味のほうも近ごろのフヤケた野菜よりよほどマシなので、
ぜひ試してみることですナ。
食べ方は、サラダ(葉)・酢の物(花)・
おひたし・和え物・てんぷら(葉と茎、花)・
きんぴら・油炒め(根茎)などがオススメですが、
今日はサラダの作り方を紹介しておくことにしましょうか。
春〜初夏に柔らかな若葉
(上向きに立っている状態のものがベスト)を摘んでよく洗い、
サラダ油3、酢1に塩、コショウ、ニンニクなどで
味を調えたドレッシングで食べますが、
花をほぐし入れたりトマトやハムなどを加えると
彩りも映えて楽しめます。
またタンポポはパラオキシフェニル酢酸、
タラキサステロール、ホモタラキサステロールなどを含み、
漢方では全草を乾燥させたものを
蒲公英(ほうこうえい)と呼んで
解熱、発汗、健胃、利尿、催乳、強壮などに用いますが、
手軽に利用するならばタンポポ・コーヒーか
タンポポ茶がヨロシイ。
タンポポ・コーヒーは、ハーブの世界で
「カフェインレス・コーヒー」と呼ばれるもので、
漢胃整腸、食欲増進、利尿、強壮などの健康効果があります。
作り方は、開花前の根を掘ってよく洗い、
2〜3cmの長さに切って天日で干し、
これをフライパンで煎ってからミキサーで粉末にして
コーヒー代わりに飲用します。
一方、全草を乾燥させて細かく刻み、
これを急須やポットに入れて熱湯を注ぎ、
お茶代わりに飲むのがタンポポ茶で、
タンポポ・コーヒーとおなじ効果が得られます。
食用、薬用とも日本タンポポ、
セイヨウタンポポの区別なく同様に使えますから、
お気軽にドウゾ。
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