旅行記者・緒方信一郎さんの
読んでトクする旅の話

第192回
膨張するマイレージサービス

飛行機に乗った距離を、ポイントに換算して貯めていく。
そのポイントがある程度の数値に達したら、
無料航空券などの特典がもらえる。
従来、そんなシンプルだったマイレージサービス。
しかし、今ではクレジットカードでの買い物、
レストランでの食事、あるいはエステやカラオケでまで、
ポイントを貯められるようになりました。
先日、全日空が住宅ローンの残額まで、
ポイント加算の対象にしたときには、
「ここまで来たか」と感じましたが、
これからは車とかマッキントッシュ購入のローンとかでも、
ポイントを稼げるようになるのでしょうか。

航空会社がここまでポイント加算の提携先を広げるのは、
マイレージが利益を生み出すことができるからです。
ポイント(マイル数)は、1ポイントあたり2、3円の相場、
あるいはその前後の金額で提携先に売ることができます。
提携先は他の競合相手にお客を取られないようにと、
航空会社のマイレージと提携するわけです。
たとえばタクシーでポイントを稼ぐこともできます。
この間、タクシーに乗ったときに、
「マイレージが貯まるから」という理由で
選んでくれるお客がいるのは嬉しいが、
その客の売上の10%も会社に取られるのが辛い、
とある運転手さんが言っていました。
5000円分乗ってもらっても、500円分は会社に持っていかれる。
でも、タクシーは台数が余っている状態ですから、
乗ってくれないよりマシだというのです。
ある意味、マイレージは近年の不景気をバックに
成長してきた側面があるのかもしれません。

ポイントを貯めるだけでなく、
使い方のバリエーションも広がりつつあります。
全日空は「Edy」というサービスを始め、
貯めたポイントでマクドナルドやエーエム・ピーエムなどでの
買い物ができるようにしています。
スーパーでクレジットカードを使ってポイントを稼ぎ、
コンビニエンス・ストアで買い物をする。
マイレージは旅行とまったく違うところまで膨張しています。
でも、ポイントを貯めるためにお金を使い過ぎては本末転倒、
買い物や旅行のついでにポイントが加算されていくのが理想の形。
その原則には変わりません。
あまり、マイレージに踊らされないように。


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