旅行記者・緒方信一郎さんの
読んでトクする旅の話

第191回
人気旅行地は「脱アジア」

春から夏場にかけての旅行シーズンがやってきます。
皆さん、どこへ行くかもう決められましたか。
今年はホノルルへの航空便が充実。
成田空港からはユナイテッド航空が1日2便になり、
関空からはノースウエスト航空の直行便が復活します。
久しぶりにハワイ人気が回復しそうです。

アメリカの同時多発テロや円安が響いて、
やや停滞気味だったハワイですが、
今年は相当混むのではないでしょうか。
フラを習う人が多いといいますし、
音楽関係に詳しい人に聞くとウクレレもブームだとか。
別にブームでなくても、あの爽やかな風を感じに行くだけでも、
癒されるものがあります。

ヨーロッパもここ数年続いた人気が衰えそうにない。
向うから日本に乗入れている航空会社だと、
1日1便か、多くて2便ですから、
夏のピーク時などはすぐ満席状態になります。

逆に、90年代後半から続いたアジアブームは、
どうやら終わりを告げたのではないでしょうか。
ビーチやリゾートは安定した人気ですが、
アジア全体に一時期の勢いはありません。
SARSや鳥インフルエンザの影響もあるでしょうが、
海外旅行地にもブームというものがあります。
かつてにように、ハワイだ、オーストラリアだと、
皆が同じところに殺到する現象は見られなくなりましたが、
なんとなく人の流れというのは存在します。
そんなときこそ空いていていいという考えもあるでしょう。
でも、アジアに注目していた人も、
このあたりで他の旅行地に目を向けてみるのもいい。
安くて美味しいとはいえ、
アジアの食べ物も少し飽きた気がします。
サイフの中身に余裕がなく、遠くまで出かけなくても、
安いツアーが増えた沖縄でも十分、
「アジア」を感じられるともいえます。
今夏の海外旅行は「脱アジア」がキーワードかもしれません。


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