第188回
出発当日でも買える「格安」な航空券誕生
海外航空券の世界では長い間、
ツアー用の航空券をバラ売りした格安航空券が
圧倒的な人気を誇ってきました。
しかし、4年ほど前からペックス航空券と呼ばれる
正規割引航空券の値段が急激に下がり、
市民権を得るようになりました。
日本航空の「JAL悟空」や全日空の「ゲット」など、
独自の運賃名を付けて売られています。
「JAL悟空」はテレビCFでも宣伝されているので、
知っている人もいらっしゃるはずです。
ペックス航空券と格安航空券は、
今まである程度、需要による棲み分けがされてきました。
両航空券の最低運賃額を見ると、
ほとんど差がない航空会社は多い。
旅行する時期によっても異なりますが、
日系航空会社などは、格安航空券よりペックス航空券の方が
安いケースも多いのです。
しかし、ペックス航空券は出発日が近づくほど値上がりし、
実際に、格安航空券に並ぶ安い値段で買おうとすると、
ヨーロッパなら出発の35日前、アメリカは28日前などと、
早期に予約・購入する必要があった。
一方の格安航空券は出発日が近づくと安くなる傾向さえあった。
つまり、この2つの航空券は、購入時期によって
使い分けられてきたわけです。
しかし、コンチネンタル航空が今年4月から、
ペックス航空券の購入期限を撤廃してしまいました。
この航空会社は成田空港からニューヨークと
ヒューストンへ直行便を持ち、
それらの空港から本拠地のあるアメリカ国内、
それに中南米に路線ネットワークを持っている。
購入期限がないということは出発当日でも使えます。
具体的には、4月の安い時期だと、
6万6000円で、ニューヨークまたはヒューストン、
それともう1都市を加えた旅行ができます。
最近は旅行者の予約をする時期が、
だんだん遅くなってきています。
ヨーロッパは出発35日前、
アメリカは28日前、あるいは21日前。
そうした購入期限がだんだん市場に
合わなくなってきている感がありました。
購入期限が早すぎるのです。
そうした実情を見て、コンチネンタル航空は、
新しいルールを打ち出したのかもしれません。
旅行業関係者の間には、今回の購入期限撤廃で、
「ペックス航空券の意味がなくなる」という意見もあるそうです。
しかし、一般旅行者にとっては、
より使い勝手のいい航空券があるに越したことはなく、
ペックス航空券でも格安航空券でも、
どちらで旅行してもいいのです。
格安航空券は旅行会社を通じてしか購入できないため、
出発間際に購入するのは難しい。
正規の航空券ではないので航空会社では買えないのです。
しかし、ペックス航空券は正規の割引航空券ですから、
航空会社から直接買うことができます。
空席さえあれば、当日、購入して、
そのままニューヨークへ遊びに行く。
そんなことも可能なのです。
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