第151回
汎用性ある国内割引運賃の値上げ
国内航空運賃には値上がりしたものがたくさんありますが、
格安な割引運賃もなくはありません。
搭乗の2か月前に売り出される「超割」や「バーゲン・フェア」は、
片道1万円前後で乗ることができます。
また、誕生日を含めて前後15日間、片道1万円になる割引運賃もあり、
同行者もその恩恵に与れます。
ただし、これらの割引運賃は搭乗日や利用者が限定されるのが欠点。
日程が出発間際まで決まらず、誕生日も関係なければ意味なしです。
「突然割引」や「タイム割引」というものも設定されています。
しかし、これも「需要の少ない便」に絞られるわけですから、
汎用性はそれほどないといえます。
もっと汎用性のあるものでは、21日前までに予約する早割タイプ、
便ごとに値段が異なる特定便割引運賃などがあります。
しかし、残念ながらこの2つの運賃は値上がり傾向にあります。
まず、早割りタイプの割引運賃を見てみましょう。
2003年11月と前年同時期を比べてみると、
羽田−札幌線は9000円から1万5400円(平日)に大幅アップ。
羽田−福岡線も1万6500円から1万8500円に上昇しました。
一方の特定便割引は、値段が総じて上がっていることに加え、
安いものは出発の7日前までに予約しなければならなくなりました。
昨年までは、すべて出発の前日までに予約すれば良かったので、
条件がより厳しくなったといえます。
条件面では、発券のルールが緩和されるなどしているわけですが、
予約日が前倒しになるのは、大きなルール変更です。
普通運賃とて、実は2000年の航空法改正時に、
それ以前より10%前後、値上げされています。
それでも、その後、数多くの割引運賃が出てきましたので、
全体的には値上がりした印象はありませんでした。
しかし、今回のように、より汎用性のある割引運賃が高くなると、
普通運賃の値上がりが今さらながら、目立ってきてしまいます。
さらに、路線のよる差別化も、よりはっきりしてきました。
つまり、割引運賃が設定されやすい路線とそうでない路線が、
明確になってきたわけです。損な路線はどこなのでしょうか。
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