第143回
1日は24時間ではありません
日本から東へ向かうと、通常より長い1日を体験します。
たとえば日本を正午に出て、ニューヨークに着く便に乗ると、
現地に着いた時点で、ほとんど24時間を経過しています。
フライト時間が半日あるからです。
にもかかわらず、ニューヨーク時間ではまだお昼で、
それからまる半日、同じ日が続きます。
延べ約36時間。
今日、11月18日にニューヨークへ向かったとすると、
11月18日は36時間くらいあるわけです。
食事も3度ではすみません。5食くらいはいくはずです。
どれが昼食で、どれが夕食か、分からなくもなります。
日記を付けている方などは、困りそうです。
しかし、延べの旅行時間は同じです。
帰国日に、長い1日が見事、帳消しになります。
ニューヨークを朝8時に出たとすると、
日本に着くのは翌日の夕方です。
飛行機に乗っているのは13時間くらいですが、
実際には倍以上の時間が流れている計算になる。
こうして理屈で考えると、
時差は旅行の間にきっちり解消されるのが分かるのですが、
人間の身体は、なかなかそれに順応してくれません。
特に、地球の自転の関係で東へ向かったときほど時差ボケがひどい。
アラブ首長国連邦のエミレーツ航空では、機内の天井に、
空の動きを再現できる照明設備を設置。機内に昼間や夕方、
夜といった時間の流れを演出します。
そうすることで時差ボケが和らぐ効果があるそうです。
人間の身体がそんなに単純なものであるかは疑問ですが、
一度体験してみたい気はします。
|