旅行記者・緒方信一郎さんの
読んでトクする旅の話

第134回
座席の広い中間クラスを増やしてほしい

ロンドンへ行く飛行機に、ビジネスクラスとエコノミークラスの
中間にあたる座席が設置されているのをご存知でしょうか。
ヨーロッパ線では、日本の全日空、
イギリスのブリティッシュ・エアウェイズ、
ヴァージン アトランティック航空、スカンジナビア航空。
アメリカ線ではユナイテッド航空や全日空。
さらに、日本線の飛行機には設置されていませんが、
台湾エバーグリーン・グループ系のエバー航空も、
中間クラスを設置しています。

この中間クラスの魅力は、座席の広さにあります。
座席自体も普通のエコノミークラスよりグレードが高いのですが、
シートピッチ(座席の前後間隔)が広いのが最大の魅力です。
食事の内容はエコノミークラスと同じですが、
機内食がマズいならば食べなければいいわけです。
お酒をかっくらって寝る、という方法もあります。
しかし、座席の狭さは自分ではどうにもなりません。
そうですね、香港や台湾、上海くらいの距離ならば狭くても
なんとか我慢できますが、バンコクやシンガポール、
ハワイともなると、広い座席で旅をしたい。
余談ですが、フィジーヘ行くエア・パシフィック航空は
エコノミークラスでも、他社に比べると広めなのですが、それは、
フィジーの人の身体が大きいという理由によるもので、
別にサービスの向上を強く意識してのものではないようです。

さて、国際航空運賃を決める際の基準になるIATA運賃に、
中間クラスという設定はありません。ですから、
中間クラスの運賃はエコノミークラスのそれです。
基準になるのはノーマル(普通)運賃。具体的に言えば、
東京発の場合で、ニューヨークなら往復43万5000円、
ロンドンなら往復54万5900円。かなり高いですよね。
しかし、今はデフレの時代で、航空業界はその代表格とも
いえる業界ですから、諦めてはいけません。
ちゃんと割引運賃が用意されています。

時期によって料金は変わりますが、
たとえば全日空の「ゲット・プレミアム」運賃なら、
ニューヨーク往復で24万円から、ロンドン往復で28万円から。
ブリティッシュ・エアウェイズには、出発の1週間前までの
購入を条件にしたロンドン往復17万6000円という運賃があります。
冬場とはいえ、普通のエコノミークラスの格安航空券でも
10万円近くはする。そう考えると、17万円台というのは、
かなり安いといえます。週末発着は1万円増しですが、割安です。
同じロンドンへの便を運航するヴァージンアトランティック航空も、
これに近い料金帯に中間クラスの割引運賃を設定しています。
海外出張もエコノミークラスを使え、という会社が多い昨今ですが、
次に出張されるときは、中間クラスで行かれたらどうでしょうか。
金額は少し上がりますが、エコノミークラスには違いありません。
会社も認めてくれるのではないでしょうか。
もちろん観光で使うのもいいですし、中間クラスで行くツアーが、
売り出されることがあり、これは安くて狙い目です。

ただ、中間クラスのある航空会社や行き先があまりに少ない。
多くの場合は、極端に値段の高いビジネスクラスか、
値段は極端に安いですが、座席も極端に狭いエコノミーか。
どちらかの二者択一を迫られます。
エコノミークラスの格安航空券は下がるだけ下がりましたが、
もう少し上乗せしてもいいから、座席ももう少し広げてほしい。
そう感じている方は多いと思います。
航空会社のサービス改善と企業努力に期待したいところです。
とても強く。


←前回記事へ 2003年11月7日(金) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ