旅行記者・緒方信一郎さんの
読んでトクする旅の話

第133回
異常気象とボジョレー・ヌーボー

ボジョレー・ヌーボー解禁の季節になりました。
心待ちにしているわけではありませんが、職業柄、
外で食事をすることも多く、結局、毎年飲んでいます。
あれは、年によって味がけっこう違いますよね。
そんなに期待して飲むワインではないわけですが、
2001年のものなどは、なかなかの味だったと記憶しています。
今年、ヨーロッパの夏は記録的な暑さでしたから、
美味しいワインができるのではないかと期待されているようです。

ですが、一方でフランスではあまりの暑さに亡くなった方が、
かなりいたとの報道がありました。
そういえば、異常気象は世界的な現象だと実感させられます。
去年の9月初旬にハワイに行ったときは、厚い雲が出ていて、
雨は降りませんでしたが、すっきりしない天気でした。
その時期は、もっとカラっと晴れ渡っているのが普通なのですが。

また、今年10月、ニュージーランドに行ったときには、
その時期には珍しく雨が降り続いていたと聞きました。
私が行ったときだけは晴天だったので実感できませんでしたが、
帰った後、また曇りや小雨の日々に戻ったそうです。

歴史の教科書には旱魃の話がよく出てきますし、
ノアの箱舟の話で知られるように豪雨が何日も続く、
そんな尋常ではない天候は昔からあったようです。
そう考えると、少し明るい気持ちになりますが、
もちろん気やすめに過ぎません。最近の異常気象は、
もっと深刻なのは間違いないようですから。
それでも、撮影が必要な取材で海外へ行くと、
異常気象でもいい天気が続くと思わず喜んでしまいます。
記録的な暑さでできる今年のワインの味を想像してみたり。
いけませんね、反省しなくては。


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