第79回
国際空港のこれからを予測します
日本の国際空港はこれからどうなっていくのでしょうか。
予測してみましょう。
1994年に関西空港がオープンすると、
日本の国際空港は「二眼レフ」構造がイメージされました。
つまり、関空と成田を中心に国際路線が広がる構図です。
しかし、現在そのイメージは大きく変わりつつあります。
便数の減少により関空は空港としての規模が縮小、
逆に成田空港は2002年3月の二本目の滑走路オープンで、
より規模を拡大しました。
関空は国内路線も減り気味です。
伊丹空港の方が大阪市内や京都などからのアクセスの便利なので、
航空会社は伊丹により多くの便数を集めるようになっています。
また、05年に中部国際空港が完成すれば、
東海圏で関空を利用していた人たちの多くが、そちらに移る。
中部国際空港は地元の空港を盛り上げようとする人たちに
支えられて、着実な運営をしていくものと見られます。
また、関空も中部空港も中心となる路線はアジア方面。
欧米路線の多くは成田空港に集まるでしょう。
理由は航空不況下で、欧米系の大手航空会社に、
複数の空港に乗り入れる体力があるところは多くないからです。
さらに、福岡や札幌といった地域の国際空港では、
アジア方面の航空会社が堅実なネットワークを形成する。
つまり、香港や韓国、台湾などの航空会社が、
それらの空港からの旅行者を自国の空港へ集め、
そのまま自国を観光する、あるいは乗り継いで他の国へ行く、
そんな旅客の流れを形成していくわけです。
ただし、その需要は関空や中部空港ほどの規模はありません。
一方で地方空港から成田空港への国内線が増えつつありますから、
地方空港からの旅行者は、アジアの空港へ行くか、
成田乗り継ぎで行くかという選択肢も出てくることになる。
こうした動き結果として、日本の国際空港は、
「二眼レフ構造」から「ピラミッド型」に
変わっていくと考えられる。
ピラミッドの頂点に成田空港があり、その下に関空と中部国際空港、
その下に福岡や札幌、さらに下にその他の地方空港が来るわけです。
ただし、ダークホースといえるのが羽田空港です。
ご存知の通り、羽田発の国際チャーターが増えています。
現在、夜11時から早朝5時の時間帯しか運航が
認可されていないにもかかわらず、
都心からの旅行客を中心に人気を集めています。
8月1日からは乗客のサポートをするための
国際線専門の地上スタッフまで置かれています。
予算の目処がたち次の滑走路ができれば、
羽田空港の国際化は一気に加速します。
そうなれば、日本最多の国内線を有するこの空港は、
本格的なハブ空港と呼ばれることになるでしょう。
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