旅行記者・緒方信一郎さんの
読んでトクする旅の話

第68回
どこまで下げられるか新幹線の割引料金

航空運賃との競争にさらされて、東海道・山陽新幹線に
全区間的な割引運賃を設定したJR。
しかし、その割引率はわずかに5%程度です。
「のぞみ」の本数を増やして利便性を高めるそうですが、
航空運賃に比べるとまだまだ割引率は低いようです。

航空運賃は、早割りタイプや特定便割引なら半額近く、
時期は限定されますが全国一律1万円前後という
激安運賃も設定されるようになっている。
航空会社は激しい顧客獲得競争にされされています。
国内線では1996年の「幅運賃」導入、
2000年の航空法改正による運賃自由化により、
乗客の平均運賃額は格段に下がりました。

日本航空や全日空といった大手航空会社は、
国内より先に激しい運賃競争にさらされた国際線でも、
もまれています。アメリカ系の航空会社などは、
一席ごとに値段が異なると言われるほど細かい料金設定の
ノウハウを持っており、その技術に太刀打ちするのは大変です。

そんな百戦錬磨の航空会社に対し、JRなど独占企業状態。
航空会社との競争がなければ割引運賃を設定することなど
なかったのではないでしょうか。
とはいえ、割引運賃が出始めたのは利用者にはいいこと。
よく見極めながら、自分にとって有利だと思える交通機関を
使っていきたいものです。
料金の見合わないようなものは、思い切って利用しない。
消費者の見る目をつけ、そのお目にかなうサービスを
企業が提供するようになる。
そういう状態が望ましいというのが私の持論です。
そのためにはある程度の競争が必要なことは言うまでもありません。


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